初夏がはじまる直前の海をイメージして。
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太陽の光が強くなり、
まだ早朝だというのに力強い日差し。
わたしたちは目を細め
真夏の焦げるような暑さを予感する。
海へ向かい、
砂浜に座るともう温かい。
それが愛おしく
ぎゅっと手のひらで握りしめながら
視線を空や海に泳がせ楽しむ。
やがて鳥の鳴き声に気づく。
寒い季節はどこかに行っていた鳥が戻ってきた。
そうやって自然の変化に気づくと
鼓動が早くなる。
さっきまで眺めていた海は
急に輝きを増し
夏の訪れを焦がれる私に応えるように
色鮮やかに輝きだす。
またこの季節が巡ってきた。
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さて、今回はそんな思いからこの絵が生まれました。
皆さまの心にも
輝きだす初夏の海が届きますように。
初夏がはじまる海。
中川知絵子